キリストの心(教会だより2023年5月号)
2023.5.19

『わたしだ』

「彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。そこで、イエスは言われた。『なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。』」

ルカによる福音書24章37~39節

教会の電話が鳴りました。視覚障がい者施設の職員さんでした。「Aさんが、あなたに来て欲しいと言っている」というのです。急を要するというので、慌てて施設へ向かいました。部屋へ入ると、Aさんは、「先生!金色に輝くイエスさまがおいでになった!」と言われ、押し入れの奥を指されました。そこには茶色く変色した壁があるだけでした。

入院されていたBさんを訪問した時のことです。看護師さんが席を外した際、真剣な面持ちで「先生、信じてくれないかもしれないけれど、イエスさまがベッドの足元に来てくださいました。本当に安心しました。もう思い残すことはありません」と言われたのでした。

いずれも、復活されたイエスさまが来られたことを科学的に証できません。しかし、私はイエスさまが来られ、彼らに『わたしだ』とご自分を示され、いつも一緒におられることを悟らせてくださったと信じています。

復活されたイエスさまは、私たちにも様々な仕方で、時には祈りの中で、『わたしだ』と語り掛け、共にいてくださることを悟らせてくださり、私たちの信仰生活を支えてくださるのです。

(新潟のぞみルーテル教会牧師 宮澤重徳)