議長だより(教会だより2023年4月号)
2023.4.12

以前神学書を読んでいた時に、復活のために必要なものは死である、と書かれていてドキッとしたことがあります。きちんと死んでいないから、復活できないのか、と思いました。ルターの十字架の神学は、絶望の次に、絶望の中にこそ、新しい希望があると言います。私たちは、いつも言い訳をしたり、人のせいにしたり、時代のせいにしたりして、きちんと絶望しない。腹をくくって、絶望的な現実を認めると、次になすべきことが見えてくる、そんな思いをしました。

子どもの頃秋の枯葉を見ながら、木は寒い冬が始まるのに、なぜ葉を落とすのだろうと思ったことがあります。後に教えられたのは、冬は日照時間が短く、日も弱いので、葉を落として身軽にし、必要なエネルギー量を落とすそうです。そして日が強くなり始めたら、また新緑を芽生えさせる。冬をしのぐために、一度葉を落としますが、それは春まで生き抜いて再び復活するためです。受難と復活を覚えるこの4月、神さまから新たな希望が与えられることを祈って、共に歩んでいきたいと思います。

吉田達臣