議長だより(教会だより2025年8・9月号)
2025.9.18

 私たちの人生の選択の一つひとつが、どこかへと続く「道」となり、時に迷い、時に確信を持って進みます。しかし、その「道」が本当に自分を望む場所へと導いているのかどうか、ふと立ち止まって考えることはないでしょうか。「自分にはまっすぐに映る道も、終わりには死に至る道ということがある」(箴言14章12、協会共同訳)という言葉もあります。どんなに誠実に一生懸命に歩んでいたとしても、本来向かうべき方向とは反対方向に向かっていたとしたら、あるいはそもそもその道自体が違っていたとしたら、決して到達すべきところへは着けないことになります。その場合、誠実であればあるほど、本来到着すべきところから遠く離れてしまうことになるのです。つまり、私たちの誠実さや正しさだけでは目的地への到達は保証されないのです。

 詩編の詩人が「主よ、あなたの道をわたしに示し、あなたに従う道を教えてください。あなたのまことにわたしを導いてください。教えてください、あなたはわたしを救ってくださる神。絶えることなくあなたに望みをおいています」(詩編25編4~5)と祈るように、私たちも日々の歩みの中で、主の「道」を尋ね求め、導きを願うことがどうしても必要です。自分の誠実さや正しさに望みをおくのではなく、「主よ、あなたのまことにわたしを導いてください」と主に望みを置き、謙虚に、心を新たに歩みを進めていく幸いを知りたいと願います。

江本 真理